あおしまの日記

あおしまさんの日記らしいです。個人的に興味がある事を時々書きます。スマートウォッチPebble日本語パックを作成、公開しています。

Adventurer3にガラエポ基板・その後

こちらの話の続きです。
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手前中央の盛り上がり対策

手前の中央と言えば、本来ならば固定用のノッチがあるけどな、と思ったときにそれが下げ圧力になるのでは?と思い立って、村上電業さんにネジ穴を開けた基板を作ってもらいました。

実際に取り付けてみた

本来の基板のネジ、ノッチがそのまま流用できるようにしました。*1
ノッチを付けたからと言っても基板はほぼほぼ取り出しませんので、つまんで引き出すことはありません。


キャリブレーション

今回も前回同様、だんだん追い込み漁を行いまして、4回ほどで100mm四方の均等な板が出力されました。狙い通り、今回は手前中央のしわもなくす事ができました。
今回スピードアップも同時に狙ったので、前回まで1層目を5mm/sでやっていたところを10mm/sで塗りましたので、時間は半分になりました。

船を出してみた

こんな感じです。

ただし高さ1cmぐらいで変形が激しかったので、これはZ軸のグリスアップのサインだなということで、Z軸のメンテをその後やりました。

同じ基板があと何枚かあります。

ご興味のある方がいらっしゃいましたら、お譲りします。

*1:自分で指定したねじ穴が狙いより小さかったので、自力で少し広げました。

2023年のカレンダー

2023年のカレンダーができました

伊東屋カレンダーが買えなかったので自作した話」から早くも足掛け9年。
今年も、2023年のカレンダーを自作しました。
六曜入りでシンプルなものをお探しの方にご好評いただいております。
aoshimak.hatenadiary.jp

毎年余っているので、2年前からメルカリで頒布しておりますが、今年もそちらで販売します。

1枚ですと200円プラス、送料が定形外郵便(規格外)で220円 です。
2枚以上ですと送料が変わりますのでご相談ください。1枚を2回買うよりもお安くできます。
丸めて送ります。

ご興味がある方はメルカリで「自作カレンダー ポスター 2023年」で検索をお願いします。
なお、複数枚希望の方はコメント欄でご連絡いただいた方がお安くなります。

このカレンダーについて

経緯と製作背景については、こちらの記事にまとめてありますので、ご興味がある方はご覧ください。
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Adventurer3にガラエポ基板を入れてみた

3Dプリンターの近況

Adventurer3という3Dプリンターを使っています。
使っていますというほど頻繁に稼働はしていませんが、主にPLAだけを使って何かちょっとした物を作りたい時に可能であれば作る感じです。

Adventurer4という後継機種が出てきて、少し心動かされたのですが、サイズと金額で迷っている間に、どうにも微妙に調子が悪くなってきて印刷品質がなんとなく良くない。

これを追いかけるとなると、また水平出しのためにテープ貼ってなんてやるのも面倒だなあ、そこに原因がないとなったらどうしようか?いっそのことAdventurer3を買い直すか?などなど、いろいろ考えていたところに、こういう動画も見えまして、

FLASHFORGE Adventurer3で水平だし!新型プラットフォーム - YouTube

確かこれ、結構なお値段してたし、今は売ってないし、となると八方塞がりだなあと。
返す刀で3Mのビルドシートを探すも今はどこにも売ってないorz
これからどうしようか?というところで、悶々と悩んでおりました。

ガラエポ基板を知る

そんな中で、こんな記事を見かけました。村上電業さんというところのガラスエポキシ基板の話。

monohoshi.blog

本当かよ?とは思いましたが、費用もそんなにかからないみたいだし、オーダーで板を作ってみました。

www.murakamidengyo.com

確かに平滑度と平面度は3mmが理想ですが、取り付けできない可能性等を考えて、1mm,2mm,3mmの3種類を同時発注。本来のビルドプレートよりちょっと大きくしてAdventurer3のZ軸断層の原因となるプレートずれも同時に解決してしまおうという考えです。

結果としては、1mmのものは山型にたわんでしまってまずはバツ
3mmはギリギリ差し込めましたが、熱が伝わりにくいみたいで、調整中にノズル詰まりが頻発しました。(ノズルの掃除だけ上手くなるありがたくない結果。)

そんな中、定着条件と剥離条件についてつらつら考えたところ、温度が高いうちはべったり、低くなると剥離するので、ベース温度を高めないとダメなことに思い至りまして、そのために熱がより伝わりやすい2mmの基板に切り替え、ベース温度を60度に設定しますと、上記ブログにあるような「ウソみたいに綺麗に剥がれる」状況が再現しました。
(私はノズル215度、ベース60度に設定。実際のベース表面が55−56度程度になっています。)

また、ビルドシートの表面がザラザラな標準品に比べ、ツルツルなだけあって、材料が過剰供給になる(送りがコンコン言い出す)症状があり、これがノズルつまりの原因のようなので、1層目の押し出しを100%よりも少なくし、フィラメントの引き戻しの設定を入れました。

上記のさまざまな試行の間には30x30mmもまともに出力できない時期もありましたが、徐々に設定を詰めて、100x100mmの1層だけの板が出力できるようになりました。

またその間、9点キャリブレーションで距離を設定して行きましたが、「9点の平均値しか使わない」
という巷の噂と違い、設定した9ポイントは割と独立してリニアな反応を示したように思います。

写真注:
左上は、100x100で出力できた最初の状態。下半分(手前側)にささくれやシワが多いので、ノズルとの距離が近い/近すぎる。
右上は、手前側3点と中央のキャリブレーションを0.1mm下げたもの。手前側の右は改善。手前側の中央と右はまだ近すぎる。
左下は、手前左と手前中央をさらに0.1mm下げたもの。だいぶ改善しているが、まだ手前中央(本来固定ノッチがある部分)の距離が開かない。(おそらく手前中央が盛り上がっている。)※左上が切れているのはノズル詰まりとは別の原因です。
右下が、さらに手前左と手前中央を0.1mm下げたもの。これ以上は現状では手前中央は追い込めないと判断してここで校正を終了。

最終的には手前の中央だけは距離がどうしても板から離せない*1ので皺が出ますが、それ以外の場所では平滑な1層が出力できるまでになりました。

校正刷ばかりではなく、モデルも出力できるようになりました。
ベース層を超えたところで振りが激しくなるとビルドシートがずれる断層問題も全く起きず、部分的な校正も含めれば50回ぐらい出力していますが、

「一度もガラエポ基板を外していません」(ここは大きな声で)

ベースが冷めるとブツが勝手に「静電気で付いているのかな?」という感じで滑って取れるので、
基板を枠から抜く必要がなくなりました。
ただし、冷めるまで待たないと変形してしまうのは、せっかちな人には厳しいかもしれません。
ただ時々、材料がべとつく場合があって、それを取るのにアルコールで拭いたりお湯で拭いたり
していますが、傷さえつかなければしばらく使えると思います。

手前中央の対策については、後日またupします。

*1:これについても原因の見当がついていまして、その対策部品を発注中です。

BIOSTAR J4105NHU を買ってみた

とある軽作業用途に1台パソコンが作りたくなりまして、手頃な基盤を物色しているといい具合の基板が出ていましたので購入しました。
BIOSTAR の J4105NHUです。

CPU直付も死に絶えつつあるなか、絶妙なバランス感と、意外と考えた設計なことが気に入りまして即購入。
M.2が刺さるのが特筆点。ほぼワンボードマイコンの扱いです。

その後、周辺部品を吟味した時に、いくつか落とし穴がありましたので、備忘録的にメモ。

  • メモリは上限4GBx2枚となっていますが、8GBx2枚(DDR4-2666/XMP2.0対応のもの)でも行けました。ただし認識はDDR4-2400でした。
  • M.2SSDはPCIe Gen2x2となっていますが、Gen3x4の物を差し込んでも動きました。
  • 内部USBポートはUSB2.0が2口(4ポート分)です。
    • これはアノ用途を考えての物かなと邪推しています。
    • ケース用USBが3.0の場合、変換ケーブルを介して繋ぎます。



という訳で、メモリ16GB、SSD500GBという豪勢な構成でも3万円でお釣りが来た形です。
ケースは、エアフローを考えて、昔のケースの方がいいかなあ?と思っています。今のケースはデカ過ぎますね。

コクヨ「MEDIAPASS」は生きていた!

(なんか「竜王は生きていた」みたいな出だしですが......。)

自室の荷物を整理していまして、ダンボールに無造作に入れてあるCDの整理に着手しようとしました。
そのために結局容器を何か薄型ホルダーに入れ替えないと体積は減らないという事で、良さそうなホルダー類を探していたわけですが、手元に少し残っていたコクヨMEDIAPASS(メディアパス)というのが優れものでした。一部これを使って整理していたのですが、今からこれを継続再開したいとなって同じものを探しました。

検索すると、「難民です」「どこにいけば売っていますか?」のような質問が散見され、しかもごく近年の情報なので絶望。どうやら2019年ごろ?に販売終了となったらしく、あとは百均等のスリーブを活用という話が主流のようです。コクヨMEDIAPASS専用ページでも、全ての商品が販売終了かのように書かれています。
www.kokuyo-st.co.jp

しかし、付属紙類のことを考えるとあれが継続できればいいなあ、と思って、しつこく探したところ、どうやら100枚組の新しい商品として継続していて、それであれば購入可能だということがわかりました。

またこの型番で探すと、存続商品がいくつかある事もわかりました。
www.kokuyo-st.co.jp

早速買い込みまして、整理を始めたところです。

CO2濃度計を分解した

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前書きに代えての予備知識(偏見)

以下はあくまでの私個人の偏見によるものです。

リチウムイオンポリマー電池について

リチウムイオンの動きを使う化学反応によって充電放電を行う充電池。リチウムイオンをポリマーに混ぜることで形を自在にパッケージできる特徴がある。密閉が破れると内部に貯められたエネルギー量によっては火花を出して発火、爆発することもある。弱点は充電しながら使うこと(=短時間の充電放電の切り替わり)、過充電、過放電。これにより充放電性能が落ちると膨らむ事があり、また発熱、最悪発火する場合もある。。

世界最大の雑貨街

中国には世界最大の雑貨街があり、ビル何棟もの規模だと言われる。そこで売られる雑貨は世界各地のバイヤーによって買われ、方々で売られている。安いものは100均などに、もう少し上の価格帯のものは、日本だとAmazonあたりで謎なアルファベット文字列のブランド名が付き、なぜか複数のブランドで同様の物が売られている事を目にする。

中国の「電子部品」

パーツ屋が集積し、様々なパーツが飛び交う。正規なものから怪しいルートのもの、中には検査不合格品や使用済み機器から取り外したものなども再生流通しているらしい?

中国の「会社設立」

大雑把に言えばお金を借りて会社を立ち上げるが、銀行からではなく個人からお金を集める事が多い。利回りを付けて返済をしていく形を取る。出資者への返済を超えて自分が儲けるために、稼ぎを最大にするためのあらゆる努力を惜しまない。

  • 例えば、納品個数に足らないものがあれば、間に合わせのためにいくつかの部品を検査落ち品、再生品などで間に合わせる、など。(特に外装に影響しない部品はよくやります。感熱センサーが入っていない体温計などが好例。)
  • 部品生産であれば、検査落ち品をOK品として出荷してしまう、など。

<ここから本題>CO2濃度計を分解してみた

さる事情から、CO2濃度計を入手し使用してみた。もちろん中国製のものを日本向けの箱に入れて売られているもの。

ある時、値が上限に振り切れる事が続き、中身を分解することにした。中には小型マイコンによる回路、温湿度センサーがあり、ケーブルで繋がる先に多用途ガスセンサーが繋がれていた。ガスセンサーはTPM-300。ネット上に唯一あった情報*1から推測すると、2ビットの旗上げよろしく空気の状態をHi/Lowでお知らせするセンサーらしい。
センサーの加熱に1分ほどかかり、その後測定に入る。センサーは4段階で空気の状態の「変化」のみを知らせる事ができる。具体的にはガス物質の量が「ない」「ちょっとある」「そこそこある」「多い」の状態。4面サイコロのような物。
空気のガスの状態をこのような単機能のセンサーで計るには無数の計測(サイコロを振る)を繰り返す必要があり、その良い悪いが釣り合う点まで到達してからが実際の測定となる。そのサイコロの目の傾向から空気の質の方向性を計算で割り出し、現在の空気の状態、並びにその中のある特定のガス物質を割合として算出しているようだ。だから常に測定を続けていないと、早く定常状態にならない。そのためには常に通電しておく必要がある。

内部にはもう一つワイヤーで接続されたものがある。リチウムポリマーバッテリーである。これはおそらく、センサーを常に動かし、測定を続けるためのもの。電池なしで立ち上げを試してみた。数値が程なくして6000まで上昇した後、ジリジリと下降し、最終的に400ppmを底とした安定状態に入った。この間9分ほど。測定するのに9分も待てないニーズのために、電池を入れているものと思われる。

しかし、実際の用途においては、ずーっと通電しっぱなしのシーンを多く見かける。電池を抜かずに通電し続けるのは、リチウムポリマー電池が一番不得意な「充電」「放電」を短期間に繰り返す動きになる。良いリチウムイオン電池であれば、電池の能力が弱くなって膨らんでも、外側のカバーが膨らんだまま破裂しない。しかしカバーが破れると、ことによっては発熱、発火する場合もあるだろう。

想像してみよう

  • もし、リチウムイオン電池が、間に合わせでNG品を出荷し、それが組み込まれていたら。
  • もし、機器製造会社が、間に合わせで怪しいリチウムイオン電池を組み込んでいたら。
  • もし、機器製造会社が、間に合わせで怪しい電子部品を回路に組み込んでいたら。
  • もし、そんな中の一つをあなたが購入していたら。
  • もし、そんなあなたのCO2濃度計が、常時通電していたら。
  • もし、CO2濃度計の中のリチウムイオン電池が、長い期間の連続通電で充放電の能力を衰えさせているとしたら。

その後

私は上記の可能性を考え、使用を中止することにした。火災のリスクを背負ってまで使うものではないから。

またこの機器が表す数値はCO2の濃度ではないものを測っている事がわかった*2ので、代替案を考えた。 
CO2を狙って計るセンサーを使い、濃度計を構築した。センサーだけで8000円、マイコンと合わせて13000円ほどした。つまり、CO2センサー単体の価格より安いものは、簡易的にすぎる子供騙しの計測機器であり、その安価なセンサーの劣った性能をカバーするためにリチウム充電池を内蔵している事が考えられる。

その設置事情(飲食店での換気の目安など)と、リチウムイオンポリマー電池の弱点を考えると、安値をはるかに上回る損失(出火、火災)を生み出すリスクが背後に潜んでいる。CO2濃度を目安とした人の密集度は、新型コロナウイルス感染拡大防止にはそもそも無意味であると考える。更に冬になれば暖房が排出するCO2や石油ガスを検知する割合も高くなり、人の密集度によるCO2濃度の目安値が意味を持たなくなる。

そろそろ、CO2濃度計による火災リスクを考えて取捨選択する時期かもしれない。

2022年のカレンダー

2022年のカレンダーができました

早いものでもう1年が過ぎてしまいました。

伊東屋カレンダーが買えなかったので自作した話」から早くも足掛け8年。
今年も、2022年のカレンダーを自作しました。
六曜入りでシンプルなものをお探しの方にご好評いただいております。
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毎年余っているので、昨年からメルカリとboothで頒布しておりますが、
2021年分は意外とメルカリで売れましたので、今年もそちらで販売します。
*1

1枚ですと200円プラス、送料が定形外郵便(規格外)で220円 です。
2枚以上ですと送料が変わりますのでご相談ください。1枚を2回買うよりもお安くできます。
丸めて送ります。

ご興味がある方はこちらからどうぞ。
aoshimak.booth.pm
なお、複数枚希望の方は別途ご連絡いただいた方がお安くなります。

このカレンダーについて

経緯と製作背景については、こちらの記事にまとめてありますので、ご興味がある方はご覧ください。
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*1:boothさんはイマイチ売れないし入金遅いし、撤退気味です。