あおしまの日記

あおしまさんの日記らしいです。個人的に興味がある事を時々書きます。スマートウォッチPebble日本語パックを作成、公開しています。

Adventurer3にガラエポ基板を入れてみた

3Dプリンターの近況

Adventurer3という3Dプリンターを使っています。
使っていますというほど頻繁に稼働はしていませんが、主にPLAだけを使って何かちょっとした物を作りたい時に可能であれば作る感じです。

Adventurer4という後継機種が出てきて、少し心動かされたのですが、サイズと金額で迷っている間に、どうにも微妙に調子が悪くなってきて印刷品質がなんとなく良くない。

これを追いかけるとなると、また水平出しのためにテープ貼ってなんてやるのも面倒だなあ、そこに原因がないとなったらどうしようか?いっそのことAdventurer3を買い直すか?などなど、いろいろ考えていたところに、こういう動画も見えまして、

FLASHFORGE Adventurer3で水平だし!新型プラットフォーム - YouTube

確かこれ、結構なお値段してたし、今は売ってないし、となると八方塞がりだなあと。
返す刀で3Mのビルドシートを探すも今はどこにも売ってないorz
これからどうしようか?というところで、悶々と悩んでおりました。

ガラエポ基板を知る

そんな中で、こんな記事を見かけました。村上電業さんというところのガラスエポキシ基板の話。

monohoshi.blog

本当かよ?とは思いましたが、費用もそんなにかからないみたいだし、オーダーで板を作ってみました。

www.murakamidengyo.com

確かに平滑度と平面度は3mmが理想ですが、取り付けできない可能性等を考えて、1mm,2mm,3mmの3種類を同時発注。本来のビルドプレートよりちょっと大きくしてAdventurer3のZ軸断層の原因となるプレートずれも同時に解決してしまおうという考えです。

結果としては、1mmのものは山型にたわんでしまってまずはバツ
3mmはギリギリ差し込めましたが、熱が伝わりにくいみたいで、調整中にノズル詰まりが頻発しました。(ノズルの掃除だけ上手くなるありがたくない結果。)

そんな中、定着条件と剥離条件についてつらつら考えたところ、温度が高いうちはべったり、低くなると剥離するので、ベース温度を高めないとダメなことに思い至りまして、そのために熱がより伝わりやすい2mmの基板に切り替え、ベース温度を60度に設定しますと、上記ブログにあるような「ウソみたいに綺麗に剥がれる」状況が再現しました。
(私はノズル215度、ベース60度に設定。実際のベース表面が55−56度程度になっています。)

また、ビルドシートの表面がザラザラな標準品に比べ、ツルツルなだけあって、材料が過剰供給になる(送りがコンコン言い出す)症状があり、これがノズルつまりの原因のようなので、1層目の押し出しを100%よりも少なくし、フィラメントの引き戻しの設定を入れました。

上記のさまざまな試行の間には30x30mmもまともに出力できない時期もありましたが、徐々に設定を詰めて、100x100mmの1層だけの板が出力できるようになりました。

またその間、9点キャリブレーションで距離を設定して行きましたが、「9点の平均値しか使わない」
という巷の噂と違い、設定した9ポイントは割と独立してリニアな反応を示したように思います。

写真注:
左上は、100x100で出力できた最初の状態。下半分(手前側)にささくれやシワが多いので、ノズルとの距離が近い/近すぎる。
右上は、手前側3点と中央のキャリブレーションを0.1mm下げたもの。手前側の右は改善。手前側の中央と右はまだ近すぎる。
左下は、手前左と手前中央をさらに0.1mm下げたもの。だいぶ改善しているが、まだ手前中央(本来固定ノッチがある部分)の距離が開かない。(おそらく手前中央が盛り上がっている。)※左上が切れているのはノズル詰まりとは別の原因です。
右下が、さらに手前左と手前中央を0.1mm下げたもの。これ以上は現状では手前中央は追い込めないと判断してここで校正を終了。

最終的には手前の中央だけは距離がどうしても板から離せない*1ので皺が出ますが、それ以外の場所では平滑な1層が出力できるまでになりました。

校正刷ばかりではなく、モデルも出力できるようになりました。
ベース層を超えたところで振りが激しくなるとビルドシートがずれる断層問題も全く起きず、部分的な校正も含めれば50回ぐらい出力していますが、

「一度もガラエポ基板を外していません」(ここは大きな声で)

ベースが冷めるとブツが勝手に「静電気で付いているのかな?」という感じで滑って取れるので、
基板を枠から抜く必要がなくなりました。
ただし、冷めるまで待たないと変形してしまうのは、せっかちな人には厳しいかもしれません。
ただ時々、材料がべとつく場合があって、それを取るのにアルコールで拭いたりお湯で拭いたり
していますが、傷さえつかなければしばらく使えると思います。

手前中央の対策については、後日またupします。

*1:これについても原因の見当がついていまして、その対策部品を発注中です。