あおしまの日記

あおしまさんの日記らしいです。個人的に興味がある事を時々書きます。スマートウォッチPebble日本語パックを作成、公開しています。

W-Zero3分解

塩田さんがW-Zero3分解記事を出している。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0201/pda48.htm

既に年末に出ていた分解画像*1を見てでひととおり検証していたので、個人的にはいまさら感が強いこの記事。塩田さんも焼きが回ったのか、トレンドに付いて行けてないというか、事の真相に迫れてない気がするので補足してみる。

もともと、横リナザウ系には「無線LANを載せたいけれども液晶周りのノイズが厳しい」という背景があった。今回さらにもう1波載せなきゃならない、その為には液晶周りのノイズをどう抑えるかというのが、今回の製品実現の根幹をなす技術的課題だったわけです。

そこで出てくるのが、Farichild*2のFIN24Cです。これはただ線の本数を少なくするために使われたのではなくて、もう1つの大きな機能である「スペクトラム拡散通信によるピークノイズの低減」*3が目的であって、これ無くして無線搭載ならびに2波搭載は実現しなかったでしょう。

もともとこの方式は携帯電話のような高密度な機器上で、解像度が増大する液晶やらCCDカメラやらのデータ転送時のノイズと、通信用電波との折り合いをどうするかというところから生まれたアイデアで、1年以上前にNEでも特集が組まれていたぐらいだ。

さらに「やっぱり欲しい」と言っておきながら右端のBluetooth用と思しきランドの存在も見逃しているのはどうにもいただけない。本当にBluetoothが欲しいのかと小一時間(w 「bluetooth欲しい」と言いたいだけちゃうんかと。おそらく企画段階、設計段階では搭載するつもりだったんでしょうが、諸般の事情(コスト的な要因?)で載せなかったのでしょう。

他にも見どころはいくつかある。基板の設計思想としてはキーの裏に部品実装というのはかの有名な「漏貧」と同じであり、当然打鍵時のたわみなどがあればクラック等で回路が損傷する危険をはらんでいる。ここを考慮してか、本来入れる予定だったCPU周りのシールドをいれずに、ICと基板との間に充填剤*4を詰め、これらの部品の実装強度を上げている。

ぎりぎりまで試作機での検討を行っていた事がこの辺からもうかがえる。

*1:geocitiesにあったもの。memn0ckさんは私の裏日記を見た後でリンク張ったのかも?

*2:シリコンバレーの始祖鳥は生きていた!!

*3:というかEMI対策と言った方が日経的流行語風でわかりやすい?

*4:黒い半透明ののもの