あおしまの日記

あおしまさんの日記らしいです。個人的に興味がある事を時々書きます。スマートウォッチPebble日本語パックを作成、公開しています。

背景

この写真を撮影したのは、文字展@smtオープンセミナーの際でした。1日目のセミナー終わりに小泉先生に口頭で許可を得て、当時所有のデジカメで撮影したものです。コメントにも書きました通り、以前ドットデータでの模様をあーでもないこーでもないとした経験があり*1、その上でこれを見て、かつカナタイプを点描化する際に用いられたという話を聞いて、「これはすごい!」なんて当時は興奮気味に思った訳です。これが後に電算機上の半角カナの形態を生み出す元になった物なわけですから、コンピューター史においては一級の文化財なわけです。その資料が、なぜかメインの展示ではなく、セミナーのツマとして提示されたというところに、当時はなんだかなあと思ったものでした。当時の日記より該当部分を引用します。

実は先日何かの折りに見に行って、オープンカフェをやるとの事で眺めに行ってみたのでありました。これ自体は非常に楽しいもので、演者の先生もノリノリで熱く語って居りました。しかし、いかんせん前提知識の乏しい方には厳しかったのではないかと思いましたね。(そこいら辺の美術学校生っぽいのなんか付いて行けなそうな顔してた。)でも身内の方?というか顔見知りのギョーカイ人さんがたくさん来仙されていたようでした。(どなたも存じあげませんでしたけど。)どうも活版印刷から傾倒して行った方のようで、しきりにこういう世界が電子化されて行くことに嘆いていらっしゃったのが印象的でした。

この演目で一番収穫だったのは、三木さんという方が「カナモジカイ」なるコアな組織を主催してたり、IBMのカナタイプの字母を作っていたり、あまつさえそれをビットマップ化する際に使っていた道具なんてのが実物で出て来た事。

これを見て、長年謎に思っていた、奇っ怪な「5x7ドットカナフォント」の由来が解って良かったです。ふうむ、この人がこの時違うアスペクトでやっていたら、あの半角カナのみょーな字は生まれなかったんだなと思うと歴史的な意義のある小道具だと思うのですな。これ1つで今日の元を取ったと思う。

しかもこの小道具を「ショボいから展示には出さなかった」とか言っているあたりうーんと思ってしまう。

更には、その後この「しょぼいもの」が、私の見聞範疇においては私以外からはどこにも紹介された事がなく死蔵されていたとなりますと、本人が「しょぼいもの」と認識されていたのはそりゃセンスによる所ですからどうでもよろしいですが、文化財の継承者として、怠慢にも程があるのではありませんか?と私は思うわけです。もう文字展からほぼ丸7年経ちますけどその辺どうなんですか?と。*2

そして私の説明がまずいのであれば訂正いただきたいですし、その前に私なんかではなく小泉先生ご自身が何がしかの手段でお出しになるべきでしょう。私はそれが無い間の介添えに過ぎません。

小泉先生の日記は時々拝見していますが、ブログには珍しく中々に永続性があるメディアです。文字展に関する記述もうろ覚えですがまだ読めたはずです。大学の教授さんですから学生さんなどに問わず語りに語ってブログに載せるなり、何かの際にぽろっと出してみるだけでも充分ではないかと思いますが。

以上が、上のコメントを返した背景です。

*1:具体的にはポケコン上で記号やかな文字を表示させる為に見栄えを検討した。

*2:この写真はセミナー翌日から今の今まで、私の新旧サイト上でずっと掲示していました。それが今の今になってというのもいかがなもんでしょう?