あおしまの日記

あおしまさんの日記らしいです。個人的に興味がある事を時々書きます。スマートウォッチPebble日本語パックを作成、公開しています。

Googleにも弱点はある

この本の中に出て来る「向こう側(=Web側にアプリやAPIの主導権を持つ)」の代表として、googleが挙げられている。google1強の様相を呈しているが、このgoogleにだって死角はあると思う。以下の様な流れになったら、googleはその標榜する所の「世界中の情報を整理統合する」という大前提が崩れ、ただの検索屋さんに成り下がるだろうし、その目標自体が彼等の足かせになる可能性がある。

そのひとつは、情報の遮断。
近年、googleからメーカーWebの目的の情報に直接たどりつく検索結果が出にくくなったと私は感じている。動的にDBの検索結果を出す様な形態が多くなって来た事が理由かもしれないし、故意にロボットをハネている所が出て来ているからかもしれない。それはそうだろう。メーカー側からすれば、立派な玄関を作っているのに空から飛んで来て窓から直接リビングに上がり込む様なこれらの行為が続けば、じゃあ正面玄関なりサイト全体のストラクチャーなどに掛けている手間はどうなるのだ、とも言える。

これを回避するアイデアとして、表玄関たる所にキーワードを置いておいて誘導し、そこから中は自分で受け持つという事が挙げられるだろう。しかし、商品が多いサイトなどは過度のSEOとも取られかねない可能性もある。この「直接飛ばせろ」vs「うちの流儀で玄関から誘導したい」の戦いが方々で起こるのではないだろうか?*1

もうひとつは、情報の爆発的増大。
Googleのインデックスにはもちろん限界はある。設備投資による拡大の傾きも上向きであろう。しかし、世界の情報増加の傾きがGoogleのインデックス拡大のための設備増強を上回った時、Googleは途端に意味を持たなくなるし、その力の泉源が急に絵空事にかわる事になる。Googleは株式公開企業である。その時になれば、Googleは時間稼ぎの為に新分野に進出するか、日銭を稼ごうとするか、もしくはインデックスのしきい値を上げて不要と判断した情報を捨てに掛かるだろう。特に、過去の情報、変化に乏しい情報などは捨てやすいかもしれない。また、PageRankの選択率を上げれば、情報の密度は上がる。しかし、密度が上がる事は、Google自らの力を弱体化させる側面も持つ。

この時、競合者にはいくつか機会が生まれる。
即時性ではBlogサーチや情報の保存期間を限定した(=少リソースの)検索サービスの方が利便性でGoogleを追い抜く可能性が出て来るだろうし、人力ディレクトリの方がきめ細かく根を張れる分逆に小回りが利いて来るだろう。またディレクトリには、淀んだ湖を撹拌するように、底に沈んでしまって日の目を見ない過去の情報を表に出す事で再評価する機会を与える事にもなるし、それが現在との創発を起こす事でまた新たな発展の機会にもなる。それは今までの書籍が担って来た、時間を超えた情報伝搬が可能になる事を意味する。

まー、これぐらいの事は中の人はいくらでも考えていると思うけれども。

*1:先日BMWGoogle八分になった時に起きていた事の本質はこれではないだろうか?と私は考える。でも違うかもしれない。