あおしまの日記

あおしまさんの日記らしいです。個人的に興味がある事を時々書きます。スマートウォッチPebble日本語パックを作成、公開しています。

Kingroon KP3Sを購入した②

Kingroon KP3S話の続きです。
主に改造の話ですが、便利だった部品や道具などのリンクも多めに貼っています。

配線の整備

こちらを参考に、配線の整頓をおこないました。
hitoriblog.com
主に使ったのは、細いロックタイと、9mmのスパイラルチューブです。

また裏蓋を開けた内部では、Y軸センサーの配線がY軸ベルトに干渉していたので、たまたま見つけたRJ-11ケーブルを這わす固定具を使って迂回させています。
www.mco.co.jp

フィラメント導入部

安いPTFEチューブを買って、20cmほどに切ってガイドとして使っています。何もないよりはフィラメントもスムーズに入っていきます。

ねじ回し

全て6角穴のトラスネジなので、最初のうちはL字のレンチで全て回してましたが、毎度毎度面倒になってきたので、WERAの短いビットホルダー813Rにショートビット840/1をつけて回すようになりました。ビットサイズ1.5/2.0/2.5が、KP3Sでよく使われるM3/M4/M5のネジ穴に対応しています。

ネジ交換


さらにメンテナンスでよく外すネジについては、プラスネジや手回しネジに交換しました。どれもホームセンターでバラ売りしていたので、安価で助かります。

  • Titanヘッドモジュール外装 化粧ビス M4x8(ちょっと長いけど支障はない)
  • 電源ネジ M4x8mm ステンレス 3個
  • ケース裏ネジ M3x8mm ステンレス 8個

Zセンサー基準用ネジ


ここのネジはコインで回すM4の手回しネジが使われていますが、そもそものネジの精度が悪くてガタつく上に、バネでさらに動きにくくしているのが調整の支障だと感じました。そこで、精度の良い手回しネジ+手回しナットに替えました。調整したい時にはすぐに回せて、締め上げたら動かないようになりました。M4で20mmの手回しネジです。調整位置が低めの方は、L15mmの物でも良いかもしれません。

  • トラスコ 縦ローレットネジ Φ12 M4 L20

item.rakuten.co.jp

  • 化粧ナット 貫通タイプ シロ K-2 M4 (ホームセンターでバラ売り購入)

item.rakuten.co.jp


ファン類

ファン類は24Vを12Vに落として入手しやすい汎用ファンを使う筋が多いですが、せっかくならば質の良い24Vファンに交換したくなって、いろいろ探しました。ただこのところのコロナの影響か、はたまた粗悪ファンが台頭した影響からか、山洋さんのファンは流通が絞られていて、思ったような静かめの24Vファンが手に入らなかったこともあり、妥協して以下のようになりました。

電源ファン


本来はケースカバーを新調し、その内部に80mmファンを入れようと考えていました。しかし、別にファンは中に入れなくても良いのでは?と考え直して、ケースカバーから外付けにしました。本来内蔵を考えて15mm高のファンをわざわざ買ったものの、外につけるなら20mmや25mmの方が、静かなモデルの入手性は高いかもしれません。
電源カバーはThingiversに置いてあります。KP3Sで出力できるサイズだと1枚作りの方をお勧めします。
www.thingiverse.com

本体下部ファン

こちらは24V品で唯一購入できたので買ったのですが、これが標準品とおなじぐらいうるさいので、大変後悔していますorz
www.furutaka-netsel.co.jp
そこで現在は、手持ちのLM350を使った降圧回路を組んで回転数を落として使っています。*1
同じ回路で12V以下まで落とせるように作りましたので*2、ゆくゆくはOmegaTyphoonあたりと交換するつもりです。

圧着工具

ファンの交換などはXHやPHの圧着工具があるとはかどりそうだなという事で、購入しました。本当は国産の工具を買いたいけれども、悔しいがホビーユースなので中国製に落ちましたorz XHとPH両方使えて値段が半分なら致し方なし。

SDカード化


microSDをそのまま扱うのはしんどいので、SDカードでデータをやり取りできるように、変換ケーブルを入れています。また差し込み口が動かないように、SDカード台のようなものを作って、本体の左脇に両面テープで固定して据えています。

www.thingiverse.com

キャリブレーションネジのロック


Thingiversにあったもの。ちょっとしたことでネジが回ってしまいキャリブレーションが狂うので、これを早く導入すればそれだけ幸せになれます。左奥の部品がKP3とKP3Sで異なります。
www.thingiverse.com

防震台

スチールラックに据えていると、結構な重量のヘッドがX軸の加速でエネルギーを持つらしく、スチールラック全体が結構揺れます。その揺り戻しで印刷品質が下がっているのではないか?と思ったので、てきとーな木の板と、テレビを地震で吹っ飛ばないようにするゲルのようなものを組み合わせて、簡易的な防震台にしています。ホームセンターに手頃なものがなかったので、ニトリの棚板を使っています。
www.nitori-net.jp
ゲルはスチールラックと板の間に挟んでいます。(4cm角のものを2枚重ねて6箇所配置しました)

プレート

村上電業さんでガラエポ板をお願いしました。180x180ですと、プレ押し出し(印刷初期に捨て塗りをする動作?)の時にヘリの辺りを右往左往するので、横方向に数mm大きくした方が、プレ押し出しをしっかりプレート状で塗ってもらえるので良いです。
固定はとりあえずPLUSのエアカルでやっています。ヘッドと干渉しないように、自分である程度端を気にしてオブジェクトを据えています。

現在の状況

こんな感じです。

*1:パソコンファンの騒音対策で経験があり、部品が手元に揃っていた。

*2:LM350の定数R1=120Ω/R2=560+1000ΩVR/C1=0.1uFセラコン/C2=100uF電解コン/24V〜12Vへの降下させるR2=1026Ωなので、12V品に替えてもさらに静音化の余地もある。

Kingroon KP3Sを購入した①

Kingroon KP3Sを購入しました

昨年9月末ごろに、Adventurer3のガラエポ化に四苦八苦している最中に魔が差しまして、kingroon KP3Sを購入しました。*1

きっかけ

きっかけは、Adventurer3の樹脂の吐出量とその調整方法を悩んでいる中で、以下のページに出会ってしまったからでした。(今思えば、これが沼の入口でした。)
hitoriblog.com

購入

時期的にKP3S次期モデル(現KP3SPro)が出る直前という事もあり、セール気味になっていたので買いました。22000円ぐらいだったと思います。また公式の国内在庫からすぐ発送されそうなのも決め手でした。

到着

到着してすぐに組み立てには掛かれなかったものの、こちらのサイトを隅々まで読んで、組み立てに掛かりました。
hitoriblog.com

ありがたい事に、沼の原因になるような加工上の不具合がない製品に当たったようで、心配していたZ軸のブレなどは起こりませんでした。

ただし、わたしが入手したのはほぼ最終形態であるVer3のモデルでしたので、上の情報とは異なる部分がいくつかありまして、そこは自力で調べて進めていきました。

  • Z軸の接合部品がちょっと変更されてた(使い方は同じ)
  • TITANエクストルーダー
  • ノズルなどの部品の規格(ノズルはMK8という規格のようです)

動作確認

とりあえず組み立てた後、動作確認をするために、curaを入れて、公式からセッティングを持ってきました。
kingroon.com

手持ちのPLAフィラメントをとりあえず使い、とりあえずは1層平板の出力に向けて、ヘッドのすき間の調整、curaの条件設定などを詰めたうえで、単純図形(立方体や円筒など)がきれいに出せるようになり、それらをこなした上で、無事船も出すことができました。
確かに、この機械はちゃんと組みあがっていれば、精度が良く速い造形が出来そうだと感じました。ヘッドの動きのキレ、加熱の速さ、ベッドの4点調整、Adventurer3で欲しかったものがここにある!という感じです。

逆に言えば、Adventurer3で培った基礎をもとにして、KP3S情報の先輩ブログを参考にしながら山を登るという感じです。
基礎が無いとちょっと辛いところもあるかもしれません。

そういう意味で、わたしが今までで一番大きな影響を受けた、基礎の勉強になったサイトを改めてご紹介しておきます。
*2
makership.co.jp

何があっても、ゆっくりで良いから大きな1層平板がきちんと出せるようにすべてを調整するのが基礎だと考えていて、これはKP3Sでも通用しました。*3

盛り上がった野望

ここまでで「意外にもデキる奴」という事がわかったので、むくむくと野望が盛り上がりました。

  • もちょっといろいろ整備したい
  • ガラエポ板を入れたい
  • ノズルの太いのも入れたい
  • スピード速く作りたい、大きい物を作りたい
  • PLA以外の材料にも挑戦したい。特にPETGとか。

ということで、これらの野望と戦った中で起きた、機械の整備、改造、トラブルについては、また後日書き足します。

ちなみに、現状ガラエポ+0.6mmノズルでPETGでふつーに出力やってます。
この剛性に慣れると、PLAに戻れなくなりそうです。

*1:私のThingiverseのサイトをご存じの方は、薄々感づいていたかも?です。

*2:このサイトのおかげで、わたしはケープもマスキングテープも今まで使わずにすんでいます。

*3:この後ガラエポ基板に交換してもまた条件出しをやり直しました。

S&B「スマートスパイス」ボトル用 交換キャップを作ってみた

キャンプに塩やスパイス類を持っていく場合、これといってなかなか都合の良い容器はないものです。うちではS&Bの細身のスパイスボトル「スマートスパイス」の塩類の容器を使っていました。

しかし、ちゃんとキャップが使えているうちは良いものの、パチパチ開け閉めすると、意外とヒンジが弱くてダメになりやすいもので*1ではキャップのためだけに容器(と中身入り)を買い直すのか?となりますと、ちょっと気がひけるのです。

そこで、3Dプリンターがせっかくあるのだし、ということで重い腰を上げて作ったのがこちらです。

さすがにヒンジやバネ機構までは作り込めませんでしたが、単純なネジキャップは作ることができました。以下のサイトで公開しています。

www.thingiverse.com

私は3Dcadを使えませんし、手で正確に繰り返しの動作をするのが苦手なので、もっぱらデザイン作成にはOpenSCADを使っています。立体の足し算引き算をして形を作り上げるのは好みです。CC非商用での公開ですので、ライセンスの範囲でご自由にお使いください。

*1:そりゃあライトユース向けスパイス容器だしなあと納得はするが

Adventurer3にガラエポ基板・その後

こちらの話の続きです。
aoshimak.hatenadiary.jp

手前中央の盛り上がり対策

手前の中央と言えば、本来ならば固定用のノッチがあるけどな、と思ったときにそれが下げ圧力になるのでは?と思い立って、村上電業さんにネジ穴を開けた基板を作ってもらいました。

実際に取り付けてみた

本来の基板のネジ、ノッチがそのまま流用できるようにしました。*1
ノッチを付けたからと言っても基板はほぼほぼ取り出しませんので、つまんで引き出すことはありません。


キャリブレーション

今回も前回同様、だんだん追い込み漁を行いまして、4回ほどで100mm四方の均等な板が出力されました。狙い通り、今回は手前中央のしわもなくす事ができました。
今回スピードアップも同時に狙ったので、前回まで1層目を5mm/sでやっていたところを10mm/sで塗りましたので、時間は半分になりました。

船を出してみた

こんな感じです。

ただし高さ1cmぐらいで変形が激しかったので、これはZ軸のグリスアップのサインだなということで、Z軸のメンテをその後やりました。

同じ基板があと何枚かあります。

ご興味のある方がいらっしゃいましたら、お譲りします。

*1:自分で指定したねじ穴が狙いより小さかったので、自力で少し広げました。

2023年のカレンダー

2023年のカレンダーができました

伊東屋カレンダーが買えなかったので自作した話」から早くも足掛け9年。
今年も、2023年のカレンダーを自作しました。
六曜入りでシンプルなものをお探しの方にご好評いただいております。
aoshimak.hatenadiary.jp

毎年余っているので、2年前からメルカリで頒布しておりますが、今年もそちらで販売します。

1枚ですと200円プラス、送料が定形外郵便(規格外)で220円 です。
2枚以上ですと送料が変わりますのでご相談ください。1枚を2回買うよりもお安くできます。
丸めて送ります。

ご興味がある方はメルカリで「自作カレンダー ポスター 2023年」で検索をお願いします。
なお、複数枚希望の方はコメント欄でご連絡いただいた方がお安くなります。

このカレンダーについて

経緯と製作背景については、こちらの記事にまとめてありますので、ご興味がある方はご覧ください。
aoshimak.hatenadiary.jp

Adventurer3にガラエポ基板を入れてみた

3Dプリンターの近況

Adventurer3という3Dプリンターを使っています。
使っていますというほど頻繁に稼働はしていませんが、主にPLAだけを使って何かちょっとした物を作りたい時に可能であれば作る感じです。

Adventurer4という後継機種が出てきて、少し心動かされたのですが、サイズと金額で迷っている間に、どうにも微妙に調子が悪くなってきて印刷品質がなんとなく良くない。

これを追いかけるとなると、また水平出しのためにテープ貼ってなんてやるのも面倒だなあ、そこに原因がないとなったらどうしようか?いっそのことAdventurer3を買い直すか?などなど、いろいろ考えていたところに、こういう動画も見えまして、

FLASHFORGE Adventurer3で水平だし!新型プラットフォーム - YouTube

確かこれ、結構なお値段してたし、今は売ってないし、となると八方塞がりだなあと。
返す刀で3Mのビルドシートを探すも今はどこにも売ってないorz
これからどうしようか?というところで、悶々と悩んでおりました。

ガラエポ基板を知る

そんな中で、こんな記事を見かけました。村上電業さんというところのガラスエポキシ基板の話。

monohoshi.blog

本当かよ?とは思いましたが、費用もそんなにかからないみたいだし、オーダーで板を作ってみました。

www.murakamidengyo.com

確かに平滑度と平面度は3mmが理想ですが、取り付けできない可能性等を考えて、1mm,2mm,3mmの3種類を同時発注。本来のビルドプレートよりちょっと大きくしてAdventurer3のZ軸断層の原因となるプレートずれも同時に解決してしまおうという考えです。

結果としては、1mmのものは山型にたわんでしまってまずはバツ
3mmはギリギリ差し込めましたが、熱が伝わりにくいみたいで、調整中にノズル詰まりが頻発しました。(ノズルの掃除だけ上手くなるありがたくない結果。)

そんな中、定着条件と剥離条件についてつらつら考えたところ、温度が高いうちはべったり、低くなると剥離するので、ベース温度を高めないとダメなことに思い至りまして、そのために熱がより伝わりやすい2mmの基板に切り替え、ベース温度を60度に設定しますと、上記ブログにあるような「ウソみたいに綺麗に剥がれる」状況が再現しました。
(私はノズル215度、ベース60度に設定。実際のベース表面が55−56度程度になっています。)

また、ビルドシートの表面がザラザラな標準品に比べ、ツルツルなだけあって、材料が過剰供給になる(送りがコンコン言い出す)症状があり、これがノズルつまりの原因のようなので、1層目の押し出しを100%よりも少なくし、フィラメントの引き戻しの設定を入れました。

上記のさまざまな試行の間には30x30mmもまともに出力できない時期もありましたが、徐々に設定を詰めて、100x100mmの1層だけの板が出力できるようになりました。

またその間、9点キャリブレーションで距離を設定して行きましたが、「9点の平均値しか使わない」
という巷の噂と違い、設定した9ポイントは割と独立してリニアな反応を示したように思います。

写真注:
左上は、100x100で出力できた最初の状態。下半分(手前側)にささくれやシワが多いので、ノズルとの距離が近い/近すぎる。
右上は、手前側3点と中央のキャリブレーションを0.1mm下げたもの。手前側の右は改善。手前側の中央と右はまだ近すぎる。
左下は、手前左と手前中央をさらに0.1mm下げたもの。だいぶ改善しているが、まだ手前中央(本来固定ノッチがある部分)の距離が開かない。(おそらく手前中央が盛り上がっている。)※左上が切れているのはノズル詰まりとは別の原因です。
右下が、さらに手前左と手前中央を0.1mm下げたもの。これ以上は現状では手前中央は追い込めないと判断してここで校正を終了。

最終的には手前の中央だけは距離がどうしても板から離せない*1ので皺が出ますが、それ以外の場所では平滑な1層が出力できるまでになりました。

校正刷ばかりではなく、モデルも出力できるようになりました。
ベース層を超えたところで振りが激しくなるとビルドシートがずれる断層問題も全く起きず、部分的な校正も含めれば50回ぐらい出力していますが、

「一度もガラエポ基板を外していません」(ここは大きな声で)

ベースが冷めるとブツが勝手に「静電気で付いているのかな?」という感じで滑って取れるので、
基板を枠から抜く必要がなくなりました。
ただし、冷めるまで待たないと変形してしまうのは、せっかちな人には厳しいかもしれません。
ただ時々、材料がべとつく場合があって、それを取るのにアルコールで拭いたりお湯で拭いたり
していますが、傷さえつかなければしばらく使えると思います。

手前中央の対策については、後日またupします。

*1:これについても原因の見当がついていまして、その対策部品を発注中です。

BIOSTAR J4105NHU を買ってみた

とある軽作業用途に1台パソコンが作りたくなりまして、手頃な基盤を物色しているといい具合の基板が出ていましたので購入しました。
BIOSTAR の J4105NHUです。

CPU直付も死に絶えつつあるなか、絶妙なバランス感と、意外と考えた設計なことが気に入りまして即購入。
M.2が刺さるのが特筆点。ほぼワンボードマイコンの扱いです。

その後、周辺部品を吟味した時に、いくつか落とし穴がありましたので、備忘録的にメモ。

  • メモリは上限4GBx2枚となっていますが、8GBx2枚(DDR4-2666/XMP2.0対応のもの)でも行けました。ただし認識はDDR4-2400でした。
  • M.2SSDはPCIe Gen2x2となっていますが、Gen3x4の物を差し込んでも動きました。
  • 内部USBポートはUSB2.0が2口(4ポート分)です。
    • これはアノ用途を考えての物かなと邪推しています。
    • ケース用USBが3.0の場合、変換ケーブルを介して繋ぎます。



という訳で、メモリ16GB、SSD500GBという豪勢な構成でも3万円でお釣りが来た形です。
ケースは、エアフローを考えて、昔のケースの方がいいかなあ?と思っています。今のケースはデカ過ぎますね。